フロアーなど、板材にタイルカーペットを敷いている家は多くあります。
良いところと注意しなければならない点がありますのでお話しします。
リフォーム後の床仕上げをタイルカーペットにと考えている方もご参考ください。
タイルカーペットが敷かれた部屋への出入口。
奥にあるカーペットはお客様自らが選んで敷設しています。
写真ではわかりずらいですが、敷居部分は段差無しのバリアフリーとなっています。
良い点①転んだときのケガが少ない。床への傷がつきにくい
タイルカーペットは主に塩化ビニルマットに糸(パイルと呼びます)を編み込んで作られています。
(塩化ビニルマットが使われていない場合はフェルト状になっています)
マット、パイルは両方ともクッションとしての役目をしますので、転んでしまったときのケガをする危険が減ります。
更に、車輪がついたものを動かしたり、物を引きずったりしても床本体に傷がつきにくいです。
車いすやキャスターが付いている家具、タンスの足元にピッタリですね。
車輪付きの補助器具が必要な方もタイルカーペットの上なら床に傷をつけず、転んでのケガの心配が減ります。
良い点②足元の冷えを大きく解消できる。
タイルカーペットに使われているマット、パイルは熱を大きく遮断してくれます。
敷くことで断熱材のような役目をします。
この役目を大きく感じることができるのが冬です。
冷たい床の温度を大きく遮断してくれるので、足裏の冷えが少なくてすみます。
厚みのあるタイルカーペットほど高い効果を発揮してくれます。
良い点③敷き詰め、張替え、部分張替が容易
タイルカーペットを床に敷き詰めるのはそんなに難しくありません。
綺麗に敷き詰めるのが難しいのです。敷くのならプロでなくともできます。
なので、お客様が自分で敷き詰めたり、気に入らないときは張替えたりができます。
部分的に変えて自分の好きなような色と模様を楽しむこともできます。
以上が主な良い点です。
次は欠点です。
欠点①常に埃がある。アレルゲンが溜まりやすい。
パイルの素材は細かい糸です。なので、埃が立ちやすいです。
埃にはダニがいることも多いので、アレルゲンが溜まりやすいです。
更に、パイルの隙間にはゴミや動物の毛が入りやすいのでフロアー以上に汚れやすいです。
アレルギーを持っている人がカーペット敷設の部屋に入ると蕁麻疹を起こしてしまうことは少なくありません。
欠点②定期的な掃除機掛けと換気が必要。
パイルには埃やアレルゲンが溜まりやすいため、影響を受けないようにするなら定期的に掃除機掛けと換気が必要です。
カーペットの掃除を粘着ロールだけで済ませる方がいますが、それは表面のゴミや汚れをとっているだけです。
パイル内部に入り込んだゴミは掃除機かブラシによる水洗いでないと取れません。
水洗いを簡単にできる家はあまりないでしょうから、普通は定期的な掃除機掛けが必須となります。
掃除機掛けの後、粘着ロールを使うことでより清潔になります。
私の自室はカーペットなのですが、粘着ロールだけの清掃をしていたら、突然に蕁麻疹が発生しました。
「カーペット内のゴミやダニが原因では?」
と考えて掃除機とロールを併用することで改善しました。
欠点③汗、匂いがしみ込む。
パイルは糸なので水を吸い込みます。
水を扱う部屋以外で、最も大きく水分を出すのは人間の体です。
体から発せられた汗、体臭がパイルにしみ込んでいきます。
汗と体臭がしみ込んだカーペットは触るとベタっとした感触となり、パイルと汗の混じった変なにおいを発します。
(ファブリーズを使えば大丈夫なことが多いです)
以上、タイルカーペットの良い点と悪い点でした。
私の見てきた限りでは高齢者のいる家や、車いすが必要な人のいる家では部屋だけでなく、廊下にも多く使われていますので、怪我防止、床を傷つけないクッションの役目と足元の冷え対策として選ばれることが多いようです。
皆様の生活スタイル、部屋を利用するのはどういう人か?どういうものを置く部屋なのか?などを考えると、タイルカーペットが最適な場合があるのではないでしょうか?