入浴は心身の衛生を保つうえでとても大事です。
でも、病気や事故で体が不自由な方は入浴が困難になってしまうことがあります。
今回は体が不自由な方でも入浴を楽しむためにあると便利な設備、器具類をお伝えします。
①引戸入口
以前、お風呂カテゴリーの
浴室でこうしとけばよかった。
という記事で「入口はドアのほうがよかった」という内容を書きました。
この記事は健常者が浴室工事をした場合のこととして書いているので、今回のように体が不自由な方向きの浴室工事をするのとは状況が違います。
バリアフリーを考えれば、引戸のほうがいいです。
開けるのに力が要りませんし、洗い場で人が倒れてしまっても開けるのが簡単です。
ドアの場合、洗い場で倒れてしまったら、ドアを割らないと入れないこと多いです。

入口引戸の例。
普通の引戸はだいたいが80cmぐらいの幅なので、車いすでも入ることができます。
場合によっては支えてもらいながらでも入れます。
②全面手すり
バリアフリーの基本は段差解消と手すりです。
浴室の段差解消は当たり前のことですが、浴室手すりは通常ですと、一個あるかどうかというところです。
手すりが一個では、安全性が高いとは言えません。
いっそ入口のある壁以外の壁には全て手すりをつけてしまいましょう。

全面手すりの例。(LIXIL リノビオ)
立ち上がるとき、座るときでも安全に配慮できます。
人間は手すりがあると、掴もうとする本能があります。
人によってはうっとうしいかもしれませんね。
手すりがいっぱいあると、足が上がりにくい方でも寄りかかりながら足を上げることができますし、立ち上がり時にも力をかけることができます。
体が不自由な方でも一人で入浴できるようになるには最も効果が高い設備だと思います。
過去のことですが、脳梗塞によって足が上がりにくくなったお客様に全面手すりを提案したところ「一人で入浴できたよ」という返事をいただいたことがあります。
③浴室リフト
デイサービスでよく見かける入浴用リフトです。
TOTOの製品にもあったりします。非常に便利ですが、値段が立派です。

←TOTOのリフト。
電動で上げ下げできる優れものです。
値段も優れものです
予算に余裕がある方むきの設備です。
④腰掛フタ
折りたたみ式の保温フタです。
フタに腰かけてお尻を滑らせることで入浴できるようになります。
手すりと組み合わせると効果がグッと高くなります。

左の矢印で示しているのです。
けっこう、重量物を乗せても耐えることができます。
⑤浴室用車いす
普段から車いす生活をしている方には、浴槽につかることすら難しいほどに体力や筋力が落ちていることがあります。
そんなとき、車いすに座ったままでもシャワーぐらいは浴びれるように作られたのが浴室用車いすです。デイサービスやデイサービス関連の店で詳しく聴けます。

←TOTO の浴室用車いすです。
トイレでも使用できるよう、お尻部分に穴があいています。
値段はメーカーによって非常に幅があります。
パッと調べてみたところ、1万円台のものもあれば30万円台のものもありました。
値段が高いものは歯医者用のいすかと思うほど立派です。
入浴しやすくなるための設備や器具というと、以上の5つが考えられます。
でも、不自由の具合がひどい場合はデイサービスや訪問介護に頼らざるを得ないでしょう。
ご利用者様の具合によって、どれなら快適に入浴できるか?を考えてください。