吹き抜け天井や高天井のリビングは開放感が大きく、立体的な広さを感じさせます。
ムーミンの作者であるトーベ・ヤンソンのアトリエ兼住居は約7mの天井高であったそうです。芸術家にとって開放感は大事なことなのでしょうね。
吹き抜け天井、高天井の利点は、開放感と窓を合わせることで採光を増加できることです。
見た目の豪華さも演出できるので、お客様を迎えるリビングにはもってこいでしょう。
でも、不利点もあるのです。
個人的に思うことや、お客様からの話しですが、下に不都合な点を書きます。
①冬場、とてつもなく冷える。エアコンが効きにくい。
吹き抜け天井、高天井のある家の住人全てが口をそろえて言っていることがこれです。
特に、年に一回あるかどうかぐらいの寒波が来たときは大変です。
採光のための窓が大きかったり、リビング階段がある家だと寒気がパワーアップします。
エアコンを全力にしているにも関わらず効いているのかどうかわからないことすらあります。
先ほど書いたトーベ・ヤンソンのアトリエも冬場はメチャクチャ寒くて、彼女はコートを着ながら作業をしていたそうです。
しかも、ヤンソンのアトリエはフィンランドのヘルシンキにあるビルの最上階でした。
北欧は日本よりもずっと断熱技術が進んでいますが、想像できないほどの寒さであったでしょう。
②照明交換が手間。
どんな高さの天井でも夜は当然、照明が必要です。
じゃあ、吹き抜け天井、高天井の照明を交換しなきゃならないときはどうすればいいのでしょうか?
場所によっては5m以上ある天井の照明交換が簡単にできると思いますか?
高所作業のための安全策を講じなくてはなりません。
「たかが5mくらいから落下して人が死ぬか」と思った人は5mから落ちてみるとわかります。
〇にますよ?(物騒な言葉になるから伏字)
③部屋になるはずだった空間を消費することになる。
吹き抜け、高天井にするということは、立体的に空間を消費します。
例えば、8畳間を2階天井までの吹き抜け構造にしたら、本来は2階に設けることができた8畳間を無くすことになるのです。
部屋を一つ無くしてしまう結果となるのです。
空間の有効利用とは言い難いですよね。
④窓がある吹き抜けは掃除が大変。
吹き抜け、高天井には採光を多くするためにFIX窓が高所に付けられているのが普通です。
窓ですから、当然汚れますし埃が溜まります。
じゃあ高所のFIX窓を掃除するときはどうやって掃除しますか?
②の照明交換と同じように安全な足場を設ける必要があります。
⑤燃料費
天井が高いということは冷やす、温める空間が大きいということです。
エアコン、薪ストーブなどに使われる燃料費が通常の天井高の家よりかかるのが簡単に想像できます。
以上が吹き抜け天井、高天井で多く言われる不利点になります。
全ては天井が高いことで発生する不利点と言って間違いありません。
開放感を優先するか?効率を優先するか?お客様が判断してください。