内装工事を行うとき、最優先で作る場所は「床」です。
床ができないと壁や天井の基準が決まりませんし、物を置くことができません。
現在、床のつくり方で選ばれているのは「根太工法(ねだこうほう)」と「剛床工法(ごうしょうこうほう)」と呼ばれる二つが多いです。
工法の特徴と利点、不利点をお伝えします。
床の入替え工事を考えている方はご参考にご覧ください。
根太工法
材木を交互に組み合わせ、床下地を作る方法です。
下図のように木材を組み合わせます。
8畳間を工事する場合に使うであろう鋼材、木材を配置した図。
(鋼製束:9本 大引:3本 根太:13本 床板:8枚)
その他にも補強木材やフロアー材などを使いますが、基本的にはこうです。
図だけだと想像しにくいので、続いて写真で説明します。
①の鋼製束が床の重量を支えます。
②の大引が根太を支えます。
③の根太は下地板や仕上げ材を支えます。
根太の間には断熱材を挟み込みます。
下地板は根太に蓋をするように張り付けます。
下地板には仕上げ材を張付けて床が完成します。
手間と時間がかかる工法ですが、床下の通気性に優れます。
材料を多く使う分、部分的な歪みが発生しても対処しやすく、床下に潜りやすいです。
8畳間の床入替え工事の場合、目安となる期間は大工さん二人で一週間ほどです。
剛床工法
床下地を鋼製束、大引で作る工法です。
下図のように木材を組み合わせます。
8畳間を工事する場合に使うであろう鋼材、木材を配置した図です。
根太工法と最も異なる点は根太を使わないことです。
(鋼製束:9本 大引:6本 床板:8枚)
補強木材やフロアー材などが必要になるのは根太工法と変わりません。
続いて写真で説明します。
①の鋼製束が床の重量を支えます
②の大引が下地板や仕上げ材を支えます。四角形を描くように組みます。
根太工法と比べると三倍は大きい断熱材を大引の間に入れていきます。
下地板は根太工法の倍の厚みがあるものを張付けます。(根太工法と同じ厚みの下地板だと、たわみやすいからです)
材料が少なくて済むので、工事期間を短くしたいときに向いています。
材料が少ない分、歪みが発生したら広い範囲に影響を及ぼします。
点検口付けなど、細かい部品を追加するには手間がかかります。
8畳間の床入替え工事の場合、目安となる期間は大工さん二人で4日ほどです。
現在の新築では、ほとんど剛床工法が採用されています。
時間と費用が節約できるのが大きな理由です。
じゃあ、リフォームも全部剛床工法でいいんじゃないか?というとそうでもありません。
その家の状態、リフォーム予定の部屋の状況によって根太工法のほうが良いとき、剛床工法のほうが良いときがあるからです。
床工事は内装工事で最も重要な工事です。
日程、予算、家の状況を考えて最も適しているであろう工法をお選びください。