部屋の角にはいろんな家電機器を置きがちです。
特に冷蔵庫、洗濯機、電子レンジ は部屋の角が定位置と言っていいでしょう。
これらの家電機器類ですが、お客様によっては角にドン付け(ベタ付け)でご利用されているお客様がいらっしゃいます。でも、
家電機器を角にドン付けするのは多くの意味でよくありません。
家電メーカー製品でも「壁から〇cmは離してください」と書かれているものが多くあります。
今回は、家電機器を角にドン付けすることで発生する不利点についてお伝えします。
不利点① 熱、埃がこもりやすい
最も大きな不利点です。これが原因で他の不利点も発生します。
機器を角にドン付けすると隙間が無くなります。
隙間が無くなることで、家電内部で発生した熱が逃げにくくなります。
多くの家電は空気を吸い込んで内部冷却します。空気を吸い込むときはどうしても埃が一緒に入ってきます。
隙間がないと、入ってきた埃が積もっていきやすくなります。
積もった埃は隙間をドンドン無くし内部冷却の効率を下げます。
内部が冷やされない家電は無理やりにでも空気を吸い込んで内部を冷やそうとします。
結果、埃がますます積もっていく悪循環に陥ります。
積もりすぎた埃は機械の中に入っていき、電子機器に付着していきます。
そして、付着した埃は断熱材のような役割を果たし、機械を内部から高温にしていきます。
よって、ますます家電内部で発生した熱が逃げにくくなります。
結果、デリケートな精密機器ほど熱で壊れてしまいます。
家電故障の原因の大部分は内部の埃によるものです。定期的に内部クリーニングしている家電や機械はノーメンテで10年以上稼働するのも珍しくありません。
不利点② 掃除がしにくい
不利点①の状況を防ぐには、定期的に掃除をすることが一番です。
でも、掃除をするための隙間がなければ、掃除をすることができません。
「移動させればいいじゃないか」とい思われるでしょうが、冷蔵庫や洗濯機のように大きな家電を移動させるのは手間ですし、床に傷をつけてしまう恐れが大きいです。
だったら、最初から掃除機のノズルをつっこめるぐらいの隙間を作っておくほうが楽です。
①と②を簡単な図にすると以下のようになります。↓
不利点③ 衛生上良くないものが溜まっていく
これも①と関連があります。
工事のとき、部屋の角にある大きな家電を動かすことがけっこうあります。
大きな家電をどかすと、多くの場合で壁側に埃が山となっているのですが、視界に入れたくない虫やなぜか奥深く入り込んだ何年前かの食品が一緒に出てくることが多いです。
(虫にとって、積もった埃が断熱材となっているので住みやすい環境となっているのでしょうね)
そういうご家庭ほど、家電購入後は一度も動かしていなかったりします。
つまり、お客様は見たくない虫や年月の経った食品がある部屋に一緒に住んでいたというわけです。
物理的な衛生上と精神衛生上、良くないです。
不利点④ 壁、床を痛めてしまうことがある
隙間が少ないということは空気の循環が良くないということです。
空気の循環が良くないと壁や床を傷める原因となる物質もとどまるということにもなります。
(主に湿気です)
傷みがひどい場合は最悪、壁や床を交換しなければならない事態となってしまいます。
過去に経験した現場ですが、冷蔵庫と洗濯機を動かしてみたら壁と床の両方がどえらいことになっていたところがあります。
結局、壁と床の一部分を交換しました。
以上が、家電を角にドン付けすることで発生する不利点です。
リフォーム後の家の管理の責任はお客様にあります。
せっかく高額の工事を行ったのなら、長く快適に住まわれるためにも家電の置き場所と扱いをご注意ください。