キッチンで最も重要な場所であるコンロ。
主にガスコンロか電気で調理するIHクッキングヒーターが選ばれます。
2011年の地震まではIHが強くプッシュされていましたが、地震による停電を経験した後に、ガスへ戻した方も一定数います。
今回はガスレンジ、IHで主に言われる利点と不利点をお伝えさせていただきます。
ガスレンジの利点
①停電でも使える。
これは先ほど書いたことです。IHは停電すると使えません。
ガスコンロはガスさえ通っていれば、使えるものが多いです。ガスレンジの着火は普通、電池による火花だからです。
例外として、コンセントからの電気を使って着火するガスコンロは使えません。
②鍋の種類を選ばない。
IHは電気を使って熱しますが、鍋の種類によっては使えない鍋があります。
主に銅、アルミ、土鍋です。
専門的な説明となりますが、IHは磁性を持たない鍋に熱を発させることができません。磁石にくっつかない性質の鍋は使用できないのです。
(「オールメタル対応」と書いてあるIHなら土鍋以外は使えますが、値段は高目)
ガスコンロは鍋を直接に火であぶるわけですから、鍋の種類は選びません。
③料理している気分が強い
これは料理が好きな人にとって大事なことです。人間は何万年も火を見ながら料理してきました。料理だけでなく燻製にしたり、塩を作る、酒を造るなど、火を使って多くのものを作ってきました。
火を見ながらのほうが料理をしている気分が強いのは明らかです。
④子供に火の恐ろしさを教えられる
教育に関わることですが、子供が火の恐ろしさを知るのはガスレンジからということが多いようです。
ガスレンジの不利点
①火事、火傷を起こしやすい
火事の火元として統計が多いのはタバコ、焚火、コンロ、放火の順だそうです。
コンロは火元の原因として3位なのです。
現場調査でも10件に1件ぐらいの割合で火事になりかけたキッチンを見ます。
そして、高齢者は調理中に袖口へ引火して火傷したという事例が多くあります。
②掃除をしにくい
ガスレンジで最も不便に感じる部分は間違いなくこれでしょう。
特に鍋を置く部分、「ゴトク」が掃除しにくいです。
ガスレンジは火を直接扱うので、汚れが焼き付いてしまって洗いにくくなってしまいます。
③ガス接続は業者にしてもらう必要がある。
ガスコンロを使うためには、ガス接続をしなければなりません。
その接続は許可を得た業者に行ってもらわなければなりません。
もし、使用者が自分でガス接続したコンロが原因で事件が起きた場合は使用者の全責任になります。
場合によっては保険が下りなくなるかもしれません。
IHの利点
①直接に火を使わないので、安全性が高い。
ガスレンジの不利点①の逆ですね。IH最大の売りです。
直接に火を扱わないので、安全性がとても高くなります。
ですが、熱された鍋にふれたら当然、火傷やケガを負うので注意しなくてはならないことには変わりません。
②掃除しやすい
ガスレンジの不利点②の逆です。IHの売りその2でもあります。
IHは基本的に平たい平面なので、掃除は吹くだけでほとんど終わりです。
③実はガスよりも火力がある。
お湯を沸かしてみるとわかるのですが、IHでお湯を沸かすとガスレンジよりも早く沸き上がります。
(業務用ガスレンジや、超強力な火力が出るガスコンロには勝てませんけど)
④交換が容易
ガスレンジは最後、業者によるガス接続がありますがIHは電気コンセントに接続すればそのときから使えます。
利用者自身で交換できるということですね。
IHの不利点
①停電時は使用できないことが多い。
電気を使っている以上、停電時は使えません。(ソーラーなどから給電している家庭は使えます)
地震後などによく聞くことでもあります。
②使えない鍋がある。
ガスレンジの利点②で説明したように、IHは銅、アルミ、土鍋 等磁性を持たない鍋に熱を発させることができません。(どんどん変わっていっていますが)
上にあげた鍋類を使うときは高目の「オールメタル対応」のIHを買う必要があります。
③導入費が高い。電気代が上がる。
IHは電気製品ですが、一般家庭の100V電源で動くIHはほとんどありませんし、100VのIHは火力が弱いため、家庭用200V電源が必要になるIHが大部分です。
200V電源がない家には新たな配線が必要となります。同時に電気の契約内容が変わります。
そして、基本電気代が上がります。
④レンジ回りが危険であることを教えにくい。
ガスレンジの利点として、火の恐ろしさを教えやすいことをあげましたが、これはその逆ですね。
火を直接見ることができないため、危険性を教えるのが難しいです。
以上、ガスとIHの利点、不利点として言われやすいものをお伝えしました。
ご利用される方にとってどちらがいいかの参考にしてもらえれば幸いです。